研究分担者 |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
中正 恵二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00217712)
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
浦出 雅裕 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70104883)
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研究概要 |
本研究は,HLA-II分子を介した刺激を受けたそれらの細胞から産生される液性因子が,樹状細胞およびT細胞の分化に対してどのように影響するかを明らかにすることを目的とする。前年度の結果から,HLA-DQ分子を介した刺激を受けた時の歯肉線維芽細胞(GF)の培養上清(DQ-sup)は,HLA-DR分子を介した刺激を受けた時のGFの培養上清(DR-sup)および擬似刺激を加えたGFの培養上清(Cont-sup)に比較して,樹状細胞(DC)およびT細胞に直接作用して,T細胞応答をTh2優位ヘシフトさせることが示された。本年度は,DQ-supに含まれ,DCおよびT細胞の分化誘導に関与する因子を特定することを行った。 まず,DQ-sup, DR-supおよびCont-supのそれぞれに含まれるDCおよびT細胞の分化誘導に関わる因子のプロファイル解析を行った。その結果,DQ-supとDR-sup間において,サイトカインおよび成長因子については大きな違いがみられなかったが,DQ-supにおいてのみ,多くのPGE_2が含まれていることが明らかとなった。そこで,indomethacin処理によってPGE_2産生を抑制したGFにHLA-DQ分子およびHLA-DR分子を介した刺激を加えたときの培養上清(Indo-DQ-supおよびIndo-DR-sup)を用いて同様の実験を行った。その結果,Indo-DQ-sup存在下において培養を行ったT細胞は,DQ-sup存在下において観察されたTh2優位ヘシフトした応答性を示さず,他の培養上清存在下の培養系と同様の分化傾向を示した。以上の結果から,GFが発現するHLA-DQ分子を介した刺激によって産生されるPGE_2が,歯周病の病巣局所におけるTh2細胞優位のT細胞応答性に関与する可能性が示された。
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