研究課題/領域番号 |
20592449
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田浦 勝彦 東北大学, 病院, 講師 (90005083)
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研究分担者 |
小関 健由 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80291128)
高橋 信博 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60183852)
丹田 奈緒子 東北大学, 病院, 助教 (00422121)
小関 一絵 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (40400262)
齋藤 恵一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00178477)
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キーワード | 歯肉炎 / 診断 / プロービング / 出血 / 末梢血管 / 規格化 |
研究概要 |
厳密な臨床的診断の不明際である歯肉炎を、その臨床徴候である出血に注目し、出血部位の血管の状態から歯肉炎の診断基準を設定し、臨床的診断法の提示を行うために、末梢血管の欝血および出血の関連の検索を行い、さらに女性の性周期と歯肉炎の関連の検証した。歯肉炎における末梢血管像と欝血、および出血の関連に関しては、歯肉炎を惹起した歯間乳頭部歯肉と比較的健康な歯肉をハロゲンライト照射下にて反射光波長分析を実施したところ、620nmの反射強度を一定に換算した場合、550nmを中心に反射強度の違いが顕著化していた。この波長はヘモグロビンに含まれるヘムのポルフィン環のQ吸収帯に相当し、酸素飽和度の測定に応用される近赤外域とは違った視点の評価対象である。これらと規格化プロービング法を組み合わせて、新しい歯肉炎の臨床診断基準の設定が可能になったと考えられる。 一方、成人女性の性周期と歯肉炎の状態の関連は、歯肉炎の再現性のある明白な診断基準がないために症例報告としてしか示されていない。これは思春期性歯肉炎も同様である。よって、本研究では20歳の妊娠の可能性のない健康女性10名を5週間、基礎体温を測定し、一日一回測定時間を決めて、および、歯肉炎の臨床診断に使用される測定項目、及び、規格化プロービング法による歯肉の出血の有無を確認した。この結果から、規格化プロービング法による歯肉炎の臨床診断がより簡便な歯肉炎の臨床診断法であることが示された。 以上より、歯肉炎の臨床診断基準として末梢血管の状態を簡便に確認する方法が確実であり、その簡便な方法として規格化プロービング法が相応しいと考えられた。
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