研究課題
本研究の目的は後期高齢者、とくに要介護高齢者に多発した根面う蝕の修復処置が困難な場合、フッ化ジアンミン銀(サホライド[○!R])を用いた薬物療法による根面う蝕マネージメントの有効性を検討するものである。本年度はう蝕歯の長寿化を目指したMIの理念に基づいたう蝕治療とフッ化ジアミン銀による根面う蝕のマネージメントを歯科医師会メンバーに提案した。その中でやはりう蝕病変の黒変が審美性を損なうことを懸念する声が聞かれた。そのため本年度は、最近、開発された試作フルオロアルミノカルシウムシリケート含有歯面コート材(商品名ナノシール、日本歯科薬品)についてエナメル質、象牙質の表層部の超微細形態、耐酸性および元素分布に対する影響をin vitroで検討した。その結果、ナノシールを10秒間2回塗布により、歯面にはナノ粒子の沈着が確認され、その厚さは1~2μmで、象牙質ではナノ粒子による象牙細管の封鎖が認められた。また、エナメル質と象牙質表層部においてFやSiの取り込みが検出された。さらにまた、酢酸に対する脱灰抑制が生じることが示された。以上よりナノシールは歯質を変色させることなく、知覚過敏抑制や象牙質の抗う蝕作用などフッ化ジアンミン銀と類似の作用が期待できることが示唆された。
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J Dent
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日歯保存誌
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新潟市歯だより(Webジャーナル)
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