本研究目的は無作為化比較試験(RCT: Randomized Controlled Trial)によって、2型糖尿病患者の抗菌的歯周治療による血中アディポネクチン濃度変化が、線溶系調節因子である血中PAI-1濃度変化に及ぼす影響を解明することである。本年度は初年度として、以下を遂行した。 1:「研究対象者抽出」新潟大学医歯学総合病院糖尿病外来受診中の2型糖尿病患者のうち、内科的・歯科的基準(詳細割愛)を満たす19名(男性13名、女性6名・平均年齢63.8歳)を抽出。2:「研究対象者無作為割付け」無作為化比較試験で抗菌剤使用(介入群)10名と、抗菌剤非使用(対照群)9名ずつに割付。3:「介入群・対照群共通の歯周治療」研究0週〜8週、2週毎に機械的歯面清掃、口腔清掃指導を実施。4:「介入群への抗菌剤局所投与」研究0週〜8週、2週毎にMinocycline抗菌剤を歯周ポケット4mm以上部位に投与。5:「研究対象者の採血」研究0週、16週に血清、血漿の採血(20ml)を実施(血清:アディポネクチン、レプチン、高感度CRP、TNF-α、IL-6、他血液生化学一般、血漿:PAI-1の濃度分析を株式会社BMLに依頼)。6:「研究対象者の歯周組織診査」研究0週、8週、16週、24週に1歯あたり、頬・舌側の近心、中央、遠心の6点について歯周組織診査実施。7:「研究対象者の唾液検査」研究0週、16週に刺激唾液を採取し、株式会社GCに歯周病菌P.g(Porphyromonas gingivalis)菌数の分析を依頼。 すべてのデータはエクセルシートにまとめて管理されている。なお、対象者の抽出を21年度も行うため、最終分析は21位年度以降に実施する。
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