本研究目的は無作為化比較試験(RCT : Randomized Controlled Trial)によって、2型糖尿病患者の抗菌的歯周治療による血中アディポネクチン濃度変化が、線溶系調節因子である血中PAI-1濃度変化に及ぼす影響を解明することである。本年度は前年度に続く2年目として、以下を遂行した。 「研究対象者抽出」:新潟大学医歯学総合病院糖尿病外来受診中の2型糖尿病患者のうち、内科的・歯科的基準(詳細割愛)を満たす11名(男性7名、女性4名・平均年齢58.4歳)を追加。 「研究対象者無作為割付け」無作為化比較試験で抗菌剤使用(介入群)6名と、抗菌剤非使用(対照群)5名ずつに割付。これにより、前年度と合わせ計30名の研究対象者となった。 「介入群・対照群共通の歯周治療」、「介入群への抗菌剤局所投与」、「研究対象者の採血」、「研究対象者の歯周組織診査」、「研究対象者の唾液検査」については、前年度と同内容につき詳細を割愛する。 すべてのデータはエクセルシートにまとめてパスワード設定のもと厳重に管理されている。なお、現在も対象者の追加抽出を行っており、最終分析は全対象者の研究終了の22年度後半に実施予定である。 また本年度は、国際学会(第87回International Association for Dental Research General Session)および国内学会(第58回日本口腔衛生学会総会)にて本研究データを用いての学術発表を行うとともに、第2回JSDEIセミナー「肥満・糖尿病・栄養と口腔保健推進」に参加し、本研究に対する学術的な意見交換や指針を得ることができた。
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