研究課題/領域番号 |
20592454
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岸本 悦央 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20091316)
|
研究分担者 |
永井 教之 岡山大学, 名誉教授 (90085770)
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
高木 慎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40116471)
辻極 秀次 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70335628)
長岡 紀幸 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70304326)
|
キーワード | チタン酸 / ナノ粒子 / 生体材料 / 齲蝕 / 歯周病 |
研究概要 |
齲蝕および歯周病予防の原理は耐酸性物質のコーティング、再石灰化能および殺菌性の付与である。本研究では、新規コーティング材チタン酸カルシウムー非晶質炭素複合物(CaTiO3-C)ナノ粒子を用いた歯質コーティング材による、新たな齲蝕・歯周病予防法の開発を行う。 昨年度の結果から、アルコキシド法により作製したCaTiO3-Cがハイドロキシアパタイトと比較して、細胞活性を向上させることを明らかにした。本年度は、アルコキシド法の改良と、作製したCaTiO3-Cをナノ粒子とし、細胞活性の解析を行った。 加熱時間を30分、2時間、12時間の3条件でCaTiO3-Cを作製、ジェットミルおよびフィルターを用いナノ粒子とし、SEM、XRD、FT-IR解析を行った。また、骨原性細胞(KUSA cell)を用いて培養実験を行った。培地に上記条件で作製した粒子を添加し、MTS assayによる細胞増殖、アルカリホスファターゼ(ALP)活性測定による細胞分化について検討した。 SEM解析の結果、粒径は600~1000nmであった。XRD解析では30分および2時間の条件で作製した粒子にCa3CO3のピークが確認されたが、12時間加熱した粒子にはCa3CO3はみられなかった。しかし、FT-IR解析では3条件の粒子にCO3が確認された。 培養実験ではMTS assayおよびALP活性ともに加熱時間による有意な差は認められず、高い値を示した。 本研究結果から、アルコキシド法による加熱時間は30分で十分であり、本法により作製されたCaTiO3-Cナノ粒子は細胞活性を向上させることを明らかにし、歯科材料への応用の可能性が示唆された。
|