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2008 年度 実績報告書

要介護高齢者の舌苔フローラおよび舌の湿潤度が発熱・肺炎発症に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20592458
研究機関九州大学

研究代表者

嶋崎 義浩  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (10291519)

研究分担者 山下 喜久  九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (20192403)
キーワード高齢者 / 舌苔 / 細菌叢 / 発熱 / 肺炎
研究概要

我が国の急速な高齢化に伴い、寝たきりや痴呆高齢者の増加は大きな社会問題となっている。要介護高齢者は口腔環境が劣悪になりやすく、口腔内が不潔になると誤嚥により発熱や肺炎のリスクが高まることが懸念されている。近年、要介護高齢者への口腔ケアが発熱や肺炎を抑制することを示す研究より、口腔細菌への関心が高まっている。これまでの高齢者の発熱や肺炎に関連する研究では、特定の細菌を病原因子として調べた研究が行われてきたが、口腔フローラを網羅的に分析し発熱や肺炎との関連を調べる研究は非常に重要な意味を持つと考えられる。
本研究の目的は、要介護高齢者に対して舌の湿潤度を含めた口腔健康状態を調査し、舌苔を含む口腔フローラの分析を行うことで、発熱や肺炎発症との関連性を明らかにすることである。まず予備的研究として、療養型医療施設に入院中の高齢者に対する調査データを解析し、有歯顎者で歯を多く持つ者、無歯顎者で舌苔が多く付着した者に発熱リスクが高い結果を得た。歯を多く持つ者や舌苔の多い要介護高齢者では、口腔内が不潔になりやすく発熱にも影響を及ぼす可能性が示唆され、要介護高齢者の発熱や肺炎のリスク因子として口腔フローラを解析することが重要性であることが確認された。そこで、口腔フローラを実際に調べるために、病院および高齢者施設の入院・入所者に対して調査を行い、現在口腔フローラの解析を進めているところである。
また本研究では、緑茶の摂取と歯周病との関連についての分析を行い、緑茶の摂取頻度の多い者ほど歯周健康状態がよいことを明らかにした。緑茶に多く含まれているポリフェノールであるカテキンは、抗菌的な効果が示されていることから、緑茶のカテキンを応用することにより、口腔細菌叢にも良い影響を及ぼす可能性がある。今後の口腔フローラの解析を行ううえで、緑茶の口腔フローラへの影響を調べていくことも興味深いと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Relationship between intake of green tea and periodontal disease2009

    • 著者名/発表者名
      Mitoshi Kushiyama, Yoshihiro Shimazaki, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Periodontology 80

      ページ: 372-377

    • 査読あり
  • [学会発表] Relationship between the tongue conditions and pyrexia in the elderly2008

    • 著者名/発表者名
      Mikiko Tomioka, Yoshihiro Shimazaki, et al.
    • 学会等名
      8th International Conference of Asian Academy of Preventive Dentistry
    • 発表場所
      Jeju Island, Korea
    • 年月日
      20081106-20081108

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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