研究課題/領域番号 |
20592461
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10285463)
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研究分担者 |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80244789)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20301442)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20364151)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00038879)
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キーワード | 歯周病 / ストレス評価 / 唾液検査 / QOL評価 / ホルモン |
研究概要 |
本研究では、唾液中ストレスマーカーと歯周病の病態との関連性を疫学的に調査し、評価することにより歯周病の病態を反映するバイオマーカーを探求すること、ならびに将来的にプロービングに依存しないタイプの新しい歯周病スクリーニング法の開発に向けたプロトコールを試作することを主たる目的としている。研究のデザインは、高齢者を対象としたケースコントロール研究であり、今回我々は、福岡県に在住する高齢者を対象に全身の健康状態、喫煙習慣などのライフスタイル因子および歯周組織検査を含む口腔診査に加えて唾液検査ならびに唾液中ストレスマーカーのアッセイを主たる調査項目として、唾液中バイオマーカーと歯周病の病態との関連を検討した。ストレス関連マーカーとして、コルチゾル、クロモグラニンAおよび抗加齢因子として知られるDHEA (dehydroepiandrosterone)を評価した。対象者171名(平均年齢68.4歳)を歯周病の重症度によるグループ分けを行い、唾液中ストレスマーカーとの関連を検討した。歯周ポケット深さによる歯周病重症度とストレスマーカー値との関連では、歯周病が重度なほど3種のストレスマーカー値が有意に高かった(コルチゾル: p=0.004、クロモグラニンA: p=0.007、DHEA: p<0.001)。各ストレスマーカーを従属変数として重回帰分析を行ったところ、3種のストレスマーカーとも重度歯周病と有意な関連性がみられた(コルチゾル: p=0.036、クロモグラニンA: p<0.001、DHEA: p<0.001)。これらの結果は、初老期高齢者においてストレスマーカーであるコルチゾル、クロモグラニンAおよびDHEAの唾液測定値と歯周病の病態との間に有意な関連性が認められ、プロービングに依存しないタイプの新しい歯周病スクリーニング法の開発につながる可能性を示唆している。
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