研究課題/領域番号 |
20592463
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
吉田 康夫 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (10315096)
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研究分担者 |
岸 光男 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (60295988)
中野 善夫 日本大学, 歯学部, 准教授 (80253459)
帖佐 直幸 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (80326694)
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キーワード | インドール / 歯周病細菌 / バイオフィルム |
研究概要 |
本研究課題では歯周病細菌の産生するインドールと歯周疾患の関連を明らかにすることを目的にしている。本年度は、歯周病細菌のインドール産生メカニズムとインドールがバイオフィルム形成に与える影響について研究をおこなった。代表的な歯周病細菌であるFuosobacterium nucleatum ATCC 25586株の全塩基配列から、大腸菌のトリプトファナーゼをコードする遺伝子tnaAのホモログを検索したところ、fn1943遺伝子が高い相同性を示した。大腸菌の組み換えタンパク質としてFn1943を精製して、トリプトファンと反応させその産生物はインドールであったことをHPLCで確認した。この所見からfn1943遺伝子はトリプトファナーゼをコードすることが明らかとなった。さらに、反応条件や基質特異性などの酵素学的性質を決定した。さらに、F.nueleatumのインドール産生量に比例してバイオフィルム形成が多くなることを共焦点レーザー顕微鏡で確認した。同菌のバイオフィルム形成は、外部から加えたインドールによっても増加した。これらの実験結果を通して、歯周病細菌のインドール産生能に関する生化学的メカニズムの一端が明らかとなった。
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