研究課題
我々の研究グループでは、萌芽研究「石灰化ナノ粒子による初期う蝕再石灰化の試み」により、石灰化ナノ粒子(Calcificaton Nano Particle : CNPs)を分離精製すべく生体材料をはじめとする様々な物質からCNPsの分離を試みた。その結果、上記のヒト血清、ウシ胎児血清の他、ヒト唾液や様々な動物性の食品にCNPsが含まれていることを見いだした。また、高速液体クロマトグラフィーによりCNPsの分離精製にも成功し、複数のコンポーネントからなる分子量60kDaの糖鎖を含むタンパク質であることも見いだした。さらにCNPsに対するモノクロナール抗体の作成にも成功した。唾液中からCNPsが検出される者とされない者がいることも明らかとなった。そこでこの研究成果を活用し、CPI2のスクリーニングに有用なバイオマーカとしてCNPs定量の有用性を疫学、臨床疫学の立場から解明することが本研究課題の目的である。本年度は本研究課題の最終年となるが、昨年度までの本課題においてCNPsがハイドロオキシアパタイトに強力に結合することを見いだした。また、電子顕微鏡観察下においてそれらのタンパク質がハイドロオキシアパタイトに結合している状態を観察することに成功した。その性質を利用してCNPsの分離精製をハイドロオキシアパタイトカラムを用いて分離精製を試みている。本年度の予定としては、CNPsの構成要素であるタンパク質を単離精製し、各タンパク質を質量分析により同定を行い。単離された構成タンパク質のハイドロオキシアパタイト結合能を電子顕微鏡による観察で評価する。さらに血清、唾液等の生体試料中にこれらのタンパク質の存在の有無を定量的に評価する計測系を確立し、歯周病スクリーニングの一助となる計測系の確立を目指す。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (4件)
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