研究分担者 |
長谷川 智子 福井大学, 医学部, 教授 (60303369)
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
上野 栄一 福井大学, 医学部, 教授 (60262507)
佐々木 百恵 福井大学, 医学部, 助教 (00422668)
吉田 華奈恵 福井大学, 医学部, 助教 (60509298)
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研究概要 |
本年度は,看護大学生243名を対象に調査を実施し,禁煙支援力尺度の信頼性・妥当性の検討を行い尺度を完成させた。24項目からなる禁煙支援力尺度予備尺度の項目分析後,主因子法・プロマックス回転による因子分析を行い,十分な因子負荷量を示さなかった項目を削除した。その結果,18項目・5因子が採択された。因子名は,第1因子・5項目『リーダーシップ能力』,第2因子・3項目『喫煙の有害性の説明能力』,第3因子・4項目『コミュニケーション能力』,第4因子・3項目『計画的行動能力』,第5因子・3項目『喫煙への態度』と命名した。 内的整合性を検討するために各下位尺度のCronbachのα係数を算出したところ,『リーダーシップ能力』α=0.81,『喫煙の有害性の説明能力』α=0.88,『コミュニケーション能力』α=0.77,『計画的行動能力』α=0.74,『喫煙への態度』α=0.74と十分な値が得られた。下位尺度間相関を算出したところ,『喫煙への態度』以外の4つの因子は弱から中程度の有意な正の相関を示した。基準関連妥当性の検討として,禁煙支援力尺度とKiSS-18,看護実践に対する自己効力感尺度とのPersonの相関を算出した。KiSS-18との相関係数は0.58(p<0.001),看護実践に対する自己効力感尺度との相関係数は0.71(p<0.001)と,いずれも中程度から強い正の相関がみられた。また,下位尺度『喫煙への態度』とKTSNDとの相関係数は,-0.62(p<0.001)と中程度の負の相関がみられた。対象者の一部に再テスト法による信頼性の検討を行った。2回の調査における尺度合計点および下位尺度得点間のPersonの相関を算出した。尺度合計点では0.89(p<0.001),『リーダーシップ能力』では0.82(p<0.001),『喫煙の有害性の説明能力』では0.74(p<0.001),『コミュニケーション能力』では0.83(p<0.001),『計画的行動能力』では0.70(p<0.001),『喫煙への態度』では0.84(p<0.001)といずれも強い正の相関がみられた。これらの結果から,信頼性と妥当性の検証された禁煙支援力尺度が完成した。
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