研究概要 |
平成21年度は,業務スケジューリングの観点から見た業務の分類,配置基準を検討し,業務スケジューリングのシミュレーションに向けた業務モデルを作成することを目的とした。 まず,重症度による患者タイプ,患者タイプ別に需要が生じる業務の種類と時刻別発生頻度,各業務の所要時間分布の分析を行った。また,病棟の看護業務を,患者の診療に不可欠なコア業務,コア業務を遂行するために必要となる確認や記録,準備・後片付けといったサブ業務,並びに病棟全体としての業務遂行に必要な連絡・調整,環境整備といったバックヤード業務の3種類に分類した。そのうえで,業務内容の明瞭な診療ユニットの業務のモデル化に沿って,システムシミュレーションソフトウェアARENAを用いて,病棟の複雑な看護業務モデルの作成を試みた。 この結果,試作モデルとして,コア業務の基本的な業務フローに基づいて,その前後にサブ業務を組み込み,間接業務は基本的な業務フローを中断する形で其々の発生頻度で生じると考えるモデルと,コア業務の基本業務フローに対して,サブ業務と間接業務が特定の発生頻度で生じて業務フローを中断する形で組み込むモデルの2パターンの業務モデルが考えられた。 次年度は,この試作モデルに基づいて,さらに必要なデータを追加し,スケジューリングの基準や条件を組み込んだうえ,シミュレーション実験を行い,現状のスケジューリングと効率的なスケジューリングによる比較を行う予定である。
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