本研究の目的は、一般病院で働く看護師が患者から受ける暴力防止に向けて、患者から受ける暴力被害の実態から病院で起こる暴力の要因を明らかにすることである。またこれを明らかにした上で暴力防止マニュアルの開発、暴力防止システムの検討をすることが、本研究全体的な目標にある。 20年度研究計画は、一般病院において患者から暴力を受けた看護職に対してインタビューを行い、暴力を受けた看護師の行動、暴力の場の環境などから暴力の起こる要因を明らかにすることから、21年3月末では、42名の看護職のインタビュー・テープ起こしを行い、検討を開始した。 その結果、初段階として、看護師が受ける暴力の要因は、暴力行為者である患者が持つ背景・暴力対象者である看護職が持つ背景・病院という環境が持つ背景に要因分類を行った。(雑誌ナーシングビジネスに紹介した)。また、看護職に暴力を起こした患者のインタビューを実施し、暴力行動に至った経緯や感情などから暴力の起こる要因を明らかにすることから、5名の患者のインタビューを行った。今後、インタビュー調査を継続する予定である。病院の看護部長と危機管理部門担当者のインタビューを行い、病院の危機管理システムと、看護職が受けた暴力後の対応などについて、10病院の看護部長と危機管理部門担当者にインタビューが終了。現在、テープ起こしを依頼中である。
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