研究課題
本研究は、医療安全に関する講義とKYTワークを導入した医療安全教育を実施し、学生の危険予知の傾向や医療安全教育での学びを明らかにし、看護基礎教育における、医療安全教育プログラムを検討することを目的とする。本年度は、まず、看護基礎教育における医療安全教育の現状について文献検討を行った。また、研究の実施については、大分大学医学部倫理委員会の承認を得た。領域別看護学臨地実習を行う3年次生65名に対して、実習施設病院の安全管理部副部長ジェネラルリスクマネージャー(以下リスクマネージャー)による講義と、グループごとの「危険予知トレーニング(以下KYT)」の演習で構成された医療安全教育を実施した。このプログラムは、実習前のオリエンテーションの位置づけで行われるため、学生の学習を保障しながら研究を実施することに留意した。医療安全教育の実施に当たっては、ζれまでの医療安全教育の成果を踏まえ、KYTに使用する事例2事例を決定し、KYT途中でのディスカッションの時間を以前より長くするなどの改善を行い実施した。研究データとしては、KYTのグループワーク記録、医療安全教直後の学生の評価表を用いて、学生のリスク感性や医療安全教育での学びを分析中である。また、H21年度には、H20年度の医療安全教育を受けた学生を対象に、任意参加での医療安全教育を実施し、繰り返し教育することによる学生のリスク感性や学びの変化を明らかにすることを計画している。そのための繰り返しの医療安全教育の方法・プログラムや、具体的調査方法を検討中である。