研究課題/領域番号 |
20592495
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
武田 利明 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40305248)
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研究分担者 |
平野 昭彦 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (30305255)
似鳥 徹 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (90128934)
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キーワード | 抗がん剤 / タキソール / 血管外漏出 / 看護技術 / 有害事象 / 実証的研究 / 基礎研究 / ラット |
研究概要 |
薬液が血管外に漏れたときの治療方法としてステロイド剤の局所投与が推奨されているものの、それを裏づける確かなエビデンスがないのが現状である。そこで今回は基礎的な実証実験を行うことにより、その有用性について検討した。抗がん剤には起壊死性抗がん剤に分類されているタキソール(ブリストル・マイヤーズ)を選択し、ラット(3匹使用)の背部皮膚に実験的に漏出病変を作製し、推奨されている方法でステロイド剤を処置した。すなわち、漏出病変の周囲から中心に向かってステロイド剤(ソル・コーテフ)を一か所につき0.1mlとし5か所に計0.5ml局所皮下投与した。対照として、同一の動物にステロイド剤を投与しない病変を作製しこの病変と比較検討した。検索方法は、すべての動物について漏出直後から5時間継続して肉眼的観察を行った。その後、毎日同じ時間帯に漏出部位の肉眼的観察と写真撮影を行い、皮膚障害の程度や変化の有無について観察した。その結果、ステロイド剤を投与した病変と対照病変では明らかな差は認められなかった。次に、グリセリン(GE)浣腸の有害事象に関する研究として、浣腸液による直腸粘膜への刺激性の程度について検討するために推奨されている温度でのGE液の直腸粘膜刺激性の有無について検討した。テキストにGE実施手順として記載されている温度(40℃)にGE液を温め、ラットの直腸に3分間貯留させた後に排便を促した。その結果、高浸透圧溶液の50%グリセリン液の直腸粘膜への刺激性(赤みを帯びる変化)が認められ、それは数時間後には消失する一時的な刺激性であることが明らかとなった。
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