本研究プロジェクトの目的は、日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システムの拡大・洗練の一環として、病院の中途採用看護師の教育ニード、学習ニードを把握するための測定用具を開発し、中途採用看護師の現状に合致した教育プログラムモデルを作成し、その有効性を検証することである。また、このことを通し、中途採用看護師への教育の充実を通し、病院に再就職した看護師や潜在看護師の発達を支援することである。 上記の目的達成に向け、平成20年度は、全国の250病院に調査協力を依頼し、承諾のあった53施設に322名分の質問紙を郵送した。その結果、127名より質問紙の返送があった。収集したデータ数が予定の半数以下となった。平成21年度は、前回の調査より範囲を拡大し、追加調査を実施した。また、追加調査分のデータを加え、学習ニードの解明に向け、記述データの分析を実施した。平成22年度は、学習ニードの解明結果を学会発表の準備を終了し、原著論文の作成に着手した。平成23年度は、教育ニードの解明に向け、記述データの分析を実施した。 これらの過程を経て明らかになった中途採用看護師の教育ニードを表すカテゴリシステム、学習ニードを表すカテゴリシステムは、中途採用看護師を対象とした職場内教育(OJT)を担当する看護師対象理解に役立つ。また、、中途採用看護師自身が自己の教育ニード・学習ニードを理解し、学習する際に役立つ。
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