本研究は、看護師の自律的な判断の様相を理論的・帰納的に明らかにすることを目的こ行う。この研究成果は、看護師の権限拡大が政府レベルで議論される社会的な動きが存在する中で、看護師がすでに行っている的確な看護判断を再評価し、日本の看護師が真の自律性を獲得するための政策立案の基礎資料となる可能性がある。 平成21年度は、看護師の自律的な判断の様相を帰納的に明らかにするために、以下のことを行った。 まず、東北大学大学院医学系研究科倫理委員会にて、研究デザインおよび倫理的配慮に関する倫理審査を受けた。 倫理委員会で承認を得た後、関東地方にある総合病院にて、12名の看護師を対象に1対1の半構成的面接調査を行った。面接内容は録音し、その逐語録をデータとして扱っている。現在、これらのデータの質的分析を進めているところである。この病院における調査は、平成22年度も継続する予定である。 上記の調査と同時に、東海地方にある総合病院での看護師を対象とした面接調査の準備を行った。この病院では、東北大学医学系研究科倫理委員会での審査に加えて、この病院の倫理委員会の審査を受けた。その後、この病院でデータ収集を担当する連携研究者(籠玲子氏、愛知県立大学)と数回の打ち合わせを経て、現在、面接の具体的な設定を準備している。この病院での面接調査は、平成22年度も継続して行う。
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