本研究は、看護師の自律的な判断の様相を理論的・帰納的に明らかにすることを目的に行う。この研究成果は、看護師がすでに行っている的確な看護判断を再評価し、日本の看護師が真の自律性を獲得するための政策立案の基礎資料となる可能性がある。 平成22年度は、21年度に引き続き、関東地方の総合病院1施設および、中部地方の総合病院1施設にて、臨床経験8年以上のベテラン看護師を対象に、1対1の半構成的面接を行った。研究代表者が関東地方、研究分担者が中部地方でのデータ収集を分担して行った。その結果、中部地方では約10名、関東地方では約15名のベテラン看護師を対象にデータ収集することができた。 面接内容はテープに録音し、守秘義務を厳守する専門業者に逐語録作成を委託した。逐語録はデータとして保存した。 データ収集と並行して、逐語録化したデータの第一次分析を始めた。第一分析は、研究代表者と研究分担者がそれぞれ行ったが、分析の妥当性と信憑性を確保するために、名古屋市で分析に関する会議を開催した。 23年度は、面接内容に補充な必要だと思われる研究対象者の方々に対し、追加の面接調査を行い、データの第二次分析と理論的知見との統合の作業を行う予定である。
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