| 研究概要 |
離床に焦点をあてた動作評価システムにおけるピックアップツール開発の可能性について検討することを目的に、本研究の初年度である平成20年度は電導ゴムの歪み速度別による特性の定量を行った。
すなわち、市販の電導ゴム(呼吸ピックアップ,TR751T,日本光電)をクリープメーター(テンシロン万能試験機,RTG-1210,エーアンドディ)のロードセル(50N,US-50N)に治具を介して固定することにより測定に供した。次に、先行研究(花村ら2004)により求められた離床動作における創部の動きに関する成績を参考にして、低速域(5-20cm/sec),中速域(40-60cm/sec),および高速域(80-120cm/sec)の3速度による引張/弛緩を加え,伸び比と発現された応力との関係を求めた。その測定において求めた応力(σ)は、引張荷重(クリープメータから受ける外力P)に抵抗する長軸方向の断面積(A)あたりの内力として定義し、σ=P/Aにより求めた。いっぽう伸び比(ε)は、電導ゴムの初期長(L)に対する歪み(λ)の比(ヤング率)として定義し、ε=λ/Pにより求めた。その結果、測定した3速度域における応力と伸び比には線形の関係が得られたものの、引っ張りと弛緩により導出される電位変動は荷重後の時間の経過とともに減弱していくことが明らかになった。
以上のことから、平成21年度は荷重終了後の電位減弱速度(あるいは加速度)について明らかにし、身体の想定した創部での特性について検討するとともに、皮膚への装着性についての検討を行う。
|
