平成20年度は、次の2点について調査を行った。 1.看護師長がとらえた新人看護師の適応に関する認識(研究目標1)2)3))について 関東、中部、近畿地方の500床以上の4施設で看護師長20名を対象にインタビューガイドを用いて、半構成式面接を実施した。新人看護師の実践の場への適応状況や適応を支援する方法、新人看護師が実践の場に適応する上で障害となっている事柄、新人看護師の権利などについて、とらえた特徴を抽出していった。その結果、看護師長がとらえた新人看護師の1年間の適応状況が抽出された。看護師長は新人看護師に時期に応じて、身体面や精神面への支援を師長自身の経験を生かし工夫を凝らしていた。またプリセプター制度のみならず病棟やユニット内の看護職を、その役割や能力を査定して活用していることが示されていた。看護師長の具体的支援内容の抽出は、プログラム開発に重要である。 2.新人看護師の適応促進を目的とした看護師長のための支援プログラムの方法の抽出 看護師長の変革的リーダーシップの観点から-(研究目標4))について 関東、中部、近畿地方の500床以上の4施設で新人看護師20名を対象に、半構成式面接を実施した。 新人看護師にとって、看護師長の変革的リーダーシップや実践現場に適応する上で支援となった事はどのようなことか、障害となった事はどのようなことかをインタビューガイドを用いて判構成式面接を行った。その結果、新人看護師の1年目の適応が経時的に示された。また看護師長以外の支援状況も明らかになった。新人看護師がとらえた看護師長の変革的リーダーシップは、看護部の理念と看護師長自身の経験知に基づいてとられており、新人看護師の適応を促進していることも示された。 これらの調査は、平成21年3月に実施され、現在継続して分析を加えている。
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