1. 看護師長がとらえた新人看護師の適応に関する認識(研究目標1)2)3))について: 看護師長15名を対象に行った面接調査を分析した。その結果、新人看護師が臨床現場に適応するための看護師長の工夫は、大カテゴリーとして<新人の状況把握><プリセプター体制における看護師長の工夫><専門職としての看護師長の役割><労働環境の工夫><協働体制での新人育成><精神的サポート>が抽出された。その中に15のカテゴリーが見出され、看護師長が行っている工夫と、師長とプリセプター・スタッフ・副師長たちが協働し行っている工夫が見出された。看護師長がとっている工夫は、新人看護師の早期離職予防だけでなく看護師長の専門性を明らかにする意味もあり、看護師長が用いる支援プログラム開発に反映させていく必要がある。 2. 新人看護師の適応促進を目的とした看護師長のための支援プログラムの方法の抽出(研究目標4))について: 新人看護師17名を対象に行った面接調査を分析した。その結果、14のカテゴリーが見出された。【業務の膨大さの負担】【勤務体制のあり方】や【プリセプターとの関係】及び【看護基礎教育と臨床現場のギャップ】に直面しながら適応していた。それには、【看護師長の精神的なサポート】や【周囲の看護師の精神的なサポート】及び看護師長の【定期的な面接での承認】や【見守られている安心】、【新人看護師が居やすい場】【ポジティブなフィードバック】【看護師たちの励まし】【看護師長からの賞賛(ほめる)】が効果的であった。新人看護師は、【新人の個性の尊重】や【新人自身の成長の確認】をとおしてより適応しており、プリセプター体制の強化など多方面の支援の必要性が示唆された。 3. 新人看護師の適応促進を目的とした看護師長のための支援プログラムの開発(研究目標5))原案の作成について: 上記の結果から現在専門家からアドバイスを受けながら、原案を作成中である。
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