研究概要 |
3. 新人看護師の適応促進を目的とした看護師長のための支援方法の開発(研究目標5),(1)(2))原案の作成・開発について:昨年度の結果を基に原案を作成した。ついで看護の専門家4名によるエキスパートパネルにかけ具体的な支援案を検討・開発した。 その結果、看護師長が行う支援方法と、師長とプリセプター・スタッフ・副師長たちが協働し行う支援方法に大別されることが確認された。大カテゴリーは支援案の<新人の状況把握><プリセプター体制における看護師長の工夫><専門職としての看護師長の役割><労働環境の工夫><協働体制での新人育成><精神的サポート>の他に、エキスパートパネルにより新たに<学習(育成)への支援>が抽出された。カテゴリーは、「新人の能力の把握」「新人の育成への直接的支援」「プリセプターの育成」「新人の教育・参画(計画)・評価の体制作り」「居場所を作る」が新たに抽出され、教育的支援やメンタルヘルスへの支援など多面的な支援方法が示された。 4. 支援方法の開発-内容妥当性の検証-(研究目標5,(3)-1,(3)-2)について 上記の支援案の内容妥当性の検証は、まず経験年数2年目看護師、ついで看護師長を対象として支援案の洗練化を試みた。 1) 2グループ計10名の経験年数2年目看護師のフォーカスグループインタビューの結果、<労働環境の工夫>におけるカテゴリー「新人の情報を守る」「人間関係の調整」などが抽出され、支援を受ける側からの実情が語られるとともに、師長への役割期待が明らかになった。 2) 2グループ計10名の看護師長によるフォーカスグループインタビューの結果、大カテゴリーは妥当とされたが、主として<新人の状況把握><専門職としての看護師長の役割><専門職としての看護師長の役割><協働体制での新人育成>のカテゴリーや内容項目に追加があった。本研究で検証された支援方法は、新人看護師の適応促進に有効であるとともに看護師長自身のキャリア開発の上でも効果的であると考える。
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