平成21年度は、以下の4点を実施した。 1. 過去数年間に医療事故を引き起こしその後病院の健康管理室に来室した看護師の訴えと症状を基に、医療事故と関連する症状を明確化した。その結果、こうした看護師の中には、医療事故が離人性障害と関連していると考えられる事例が含まれていることが明らかになった。 2. 21年度に都心の大学付属病院と大都市近郊の大学付属第2病院の2院を対象とし実施した調査の解析を行った。その結果、医療事故の有無やインシデントレポートの記入経験の有無と離人性障害、抑うつとの関連が明らかになった。 3. 実際に医療事故を引き起こした者の精神状態を明確化するため、インシデントレポート報告者に対して精神状態を評価する質問紙を実施し、分析を実施している。 4. 上記3の対象者に面接調査を実施し、事故の状況、精神状態との関連性、考えうる対処法等についてインタビューを実施中である。引き続き、サンプル数を増やし詳細な分析を行っていく予定である。
|