研究課題/領域番号 |
20592526
|
研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
土田 敏恵 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (10461170)
|
研究分担者 |
竹田 千佐子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10148273)
竹末 芳生 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70197292)
|
キーワード | 手指衛生 / 加速度センサ / 手洗い手技 / 細菌減少値 / 手洗い時間 |
研究概要 |
加速度センサを組み込んだ手指衛生教育システムは、現在一般的に使用されている手洗い練習機(グリッターバグ(R))と同等の教育効果があることが看護学生において確認されたことを受けて、非医療関係者である中学生における教育効果を評価することを目的とした。中学生20名を、加速度センサシステム使用群(モニタ群)と手洗い練習機使用群(従来群)に無作為に割り付け、石鹸と流水による手洗い方法を30分間練習した。練習前後と教育持続効果を測定するため練習3ヶ月後に、手洗い手技・手洗い時間・手指のこすり合わせ状況・手洗い効果について、ビデオ映像による手洗い手技実施チェック(得点化)および実施時間測定・両前腕に装着した加速度センサによる加速度の測定(0.1秒あたりの平均値)・手洗い前に付着させた10^6CFU表皮ブドウ球菌の手洗い後の細菌減少値を測定した。その結果、両群とも手洗い練習後に手洗い手技は12満点中平均10~11点となり3ヶ月後の得点もほぼ同等で手技の実施を維持していた。手洗い時間は、練習後はモニタ群が有意に長く3ヶ月後は従来群が有意に長くなったが、いずれも平均65秒以上と十分な長さであった。加速度は、練習後および3ヶ月後ともモニタ群が有意に大きく(練習後:従来群10931、モニタ群11357、3ヶ月後:従来群10616、モニタ群10900)、手指をしっかりこすり合わすことができていた。細菌減少値は、従来群は練習前0.2~1.6log10(250~900CFU)、練習後0.4~1.2log10(500~600CFU)、3ヶ月後0.1~1.8log10(200~2000CFU)で、モニタ群は練習前0.1~2.0log10(200~1000CFU)、練習後0.2~1.4log10(250~500CFU)、3ヶ月後0,5~1.2log10(1000~1500CFU)と差はなかった。以上より加速度センサを組み込んだ手指衛生教育システムは、手指衛生に関する知識のない中学生においても、一般的に使用されている手洗い練習機と同等の教育効果が期待できることが分かった。
|