研究課題/領域番号 |
20592533
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研究機関 | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
亀岡 智美 独立行政法人国立国際医療研究センター, 医療情報解析研究部, 研究院 (50323415)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (00229098)
中山 登志子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 准教授 (60415560)
鈴木 美和 天使大学, 看護栄養学部, 准教授 (20396691)
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キーワード | 看護師 / 研究成果の活用 / 尺度 / 尺度開発 |
研究概要 |
平成21年度は、研究目的(1)「臨床看護師が研究成果活用状況を改善するために活用できる自己評価尺度を開発する」、研究目的(2)「開発した尺度を用いた臨床看護師の実践への研究成果活用の現状とそれに関係する因子を解明する」の達成に向けて活動した。具体的には、平成20年度に作成した看護師の研究成果活用能力を構成概念とする尺度、及び、看護師特性調査紙について、専門家会議、パイロットスタディ、本調査を行った。本調査においては、全国38病院の看護師860名に質問紙を配布し、返信用封筒を用いた回答の個別投函を依頼した。その結果、447名(回収率52.0%)より回答を得、有効回答は430部であった。パイロットスタディ用尺度は本調査用と同一であったことから、パイロットスタディの有効回答55部も加え、全485部を分析した。その結果、項目分析、因子分析を経て、6下位尺度から成る「研究成果活用力自己評価尺度-臨床看護師用-」を完成した。6下位尺度とは、「1.看護実践の改善につながる研究成果を探索しその質を見極める」、「2.研究成果活用の是非を多角的に検討する」、「3.関係者の理解を得ながら新たな看護方法の導入を進める」等である。クロンバックα信頼性係数を算出した結果、尺度の内的整合性による信頼性を確認できた。また、既知グループ技法を用い、尺度の構成概念妥当性も確認できた。従って、この尺度は、臨床看護師が看護実践への研究成果活用能力を自己評価し、改善するために活用できる。さらに、調査結果は、看護実践に研究成果を「よく活用している」者が対象者の3.3%であり、この状況改善が重要な課題であることを示した。加えて、そのためには、研究成果を探索しその質を見極める能力、研究成果活用の是非を多角的に検討する能力の向上が不可欠であることが明らかになった。これらの成果は、看護実践への研究成果活用の促進につながる看護継続教育検討の基礎資料になる。
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