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2009 年度 実績報告書

アセスメントツールと根本原因分析を統合した病院における転倒予防システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20592536
研究機関金沢大学

研究代表者

泉 キヨ子  金沢大学, 保健学系, 教授 (20115207)

研究分担者 平松 知子  金沢大学, 保健学系, 講師 (70228815)
正源寺 美穂  金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
キーワード転倒 / 根本原因分析(RCA) / 急性期病院 / 前向き調査 / アセスメントツール
研究概要

本研究は転倒予測に使用したアセスメントツールの得点内容と転倒者の転倒後に根本原因分析(RCA ; root cause analysis)を行い,それらを分析・統合して,病院における転倒予防システムを構築し検証することを目的に3年間にわたるものである。
本年度は一急性期病院(120床)で転倒し,報告された41転倒事例について、なるべく早く転倒者と転倒報告者に面接を行い、転倒状況を再構成して根本原因の手法に沿って分析を行った。その結果、1)41転倒事例の特徴として転倒者は27名(男性12名、女性15名)、平均年齢は80歳であった。転倒状況では転倒時間は夜勤帯が34件(82.9%)、転倒場所はベッドサイドが35件(85.4%),転倒時の行動として、排泄が23件(56.1%)とそれぞれ高率を示した。損傷では骨折が2件(4.9%)であった。2)アセスメントツール得点(日本看護協会編)は平均14.83点であり、危険度IIが21例、危険度IIIが20例であった。3)根本原因分析の結果、57項目が抽出され、カテゴリー化したところ《認知症に対する理解不足》,《疾患・症状・治療によるふらつきの増強》,《確認が不十分》,《高齢者に対する環境調整の不備》,《自信による単独歩行》,《抜ける・滑る・つまずく履物》,《コミュニケーション不足》,《夜勤帯のマンパワー不足》の8つが抽出された。
今回の結果を通して、後期高齢者が多く、そのため認知症との関係、疾患や症状、治療がふらつきを増強させること、患者が努力して歩行に自信を持つことも要因となること、患者・医療者共に確認が不十分であること、環境や履物などがあげられたので、これらを考慮したシステムの構築が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 転倒リスクとリスクアセスメントツールに関する看護研究の動向と今後の課題2009

    • 著者名/発表者名
      泉キヨ子, 尾坐麻理佳, 宮腰美希
    • 雑誌名

      看護研究 42(3)

      ページ: 173-188

  • [雑誌論文] 知って防ごう高齢者の転倒2009

    • 著者名/発表者名
      泉キヨ子
    • 雑誌名

      スマートナース 12(2)

      ページ: 79-81

  • [雑誌論文] 脳卒中患者の転倒予防とリスク管理2009

    • 著者名/発表者名
      正源寺美穂, 泉キヨ子, 高畑有希
    • 雑誌名

      看護技術 55(12)

      ページ: 168-173

  • [学会発表] 一急性期病院における転倒原因をRCA手法を用いて探る2009

    • 著者名/発表者名
      高畠ひろ子, 泉キヨ子, 平松知子
    • 学会等名
      第3回日本看護研究学会学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜・国立大ホール・会議センター (神奈川県)
    • 年月日
      2009-08-03

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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