研究課題/領域番号 |
20592537
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
|
研究分担者 |
長谷川 智子 福井大学, 医学部, 教授 (60303369)
上原 佳子 福井大学, 医学部, 講師 (50297404)
佐々木 百恵 福井大学, 医学部, 助教 (00422668)
吉田 華奈恵 福井大学, 医学部, 助教 (60509298)
礪波 利圭 福井大学, 医学部, 助教 (10554545)
|
キーワード | COPD / セルフケア / 患者教育 / 情報ニーズ / LINQ |
研究概要 |
本研究の目的は、慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)患者の持つセルフケアに関する情報ニーズの現状を把握し、患者が必要としている情報提供のあり方を検討することである。また、患者のセルフケア能力を高めるための教育プログラムの構築とその効果を検証することである。 平成20年から継続して行ったCOPD患者への実態調査では、対象者は高齢者が多く、病期も重症患者が多かった。また、対象者のほとんどが男性の喫煙経験者であったため、外来通院時には、禁煙と薬物療法に関する指導は受けており、対象者のニーズもその2点においては低かった。しかし、急性増悪時の対応などを含む疾患の自己管理の方法についての知識は低く、加えて運動療法や栄養に関する知識も低かった。高齢で重症期にあるCOPD患者は、呼吸に対する代謝が亢進する一方、日常生活動作が低下することで全身の筋力低下が起こるため、適切な呼吸リハビリテーションと栄養補給は、急性増悪を回避しできるだけ長い安定期を保つ上で重要な要素である。本研究の調査では、これらの点において対象者への情報提供が不十分であることが明らかとなった。 これらの結果を踏まえ、セルフケア能力向上のための教育プログラムには、対象者の特性を十分理解し、対象者ができる限り在宅で安定した療養生活を送ることができるよう、本人及びその家族の持つ力を最大限引き出せる包括的な介入が必要である。そのためには疾患、禁煙、薬物療法への指導のみではなく、栄養、運動療法、心理社会活動に対する積極的な介入について、多職種で取り組むことが重要である。今後は継続して包括的教育プログラムに対して、患者の予後のみではなく、患者の生活の質の視点で評価を行う必要がある。
|