研究課題/領域番号 |
20592548
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
高島 尚美 横浜市立大学, 医学部, 教授 (00299843)
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研究分担者 |
平井 和恵 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10290058)
五木田 和枝 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40290051)
渡部 節子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80290047)
山田 美穂 横浜市立大学, 医学部, 助教 (40468210)
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キーワード | 周手術期看護 / 胃がん患者 / セルフケア |
研究概要 |
胃がんで手術を受ける患者のセルフケア支援プログラムを開発し介入することで、術後の早期回復および退院後のQOLを高める看護を実証的に検討することが本研究の目的である。 平成20年度は胃がんで手術を受け担任した患者のセルフケアに焦点をあて、外来において20名に対しそれぞれ2回以上の術後患者のニーズ調査およびQOL調査を行った。対象は、平均年齢62.67(SD:12.32)歳であった。その結果、胃がんで手術を受けた患者の術後1ヶ月での困難さは「怖くて食べられない」等<食行動について>や、「疲れやすくて困る」等の<倦怠感・易疲労性><術後の体重減少><創部><症状>であり、それらへの対処は、<体力維持>および<倦怠感に対するセルフケア><食事に対するセルフケア><情報の探索>を自力で試行錯誤していた。術後約2ヶ月を経過すると<食行動>に対する困難さは激減し、各々のセルフケアが確立してきていた。倦怠感や易疲労感の回復度は患者により異なっていたが、状態に合わせ対処できていた。症状に関しても、予防のためのセルフケアが確立し、不快感も軽減していた。医療者へのニーズとして、術後1ヶ月は<栄養指導>を含む<退院時の指導内容>を参考に対処していながらも、より個別的で具体的な指導を望む患者が多かった。また、QOL評価において、国民標準値との比較では術後1ヶ月でPF・RP・SF・PCSが有意に低い結果で2ヶ月後はすべてにおいて差はなかった(p<0.05)。退院約1ヶ月では患者のセルフケアは不十分であったが、2ヶ月後には自立している傾向が明らかとなったが個別性は高かった。また、食事のみならず術後倦怠感が患者のQOLを下げていることが明らかとなった。したがって、術後1ケ月までの時期の生活上の困難さを自力で解決するための支援、入院中からの自律的なセルフケア行動確立のための患者教育の必要性が示唆された。
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