2009 年度実績報告書

人工股関節全置換術の術前皮膚消毒に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号	20592549
研究機関	横浜市立大学
研究代表者	渡部節子横浜市立大学, 医学部, 教授 (80290047)
研究分担者	五木田和枝横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40290051) 平田明美横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00444943) 竹内良平横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30236442) 稲葉裕横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (40336574)
キーワード	人工股関節全置換術 / 創感染 / 術前皮盧消毒
研究概要	本研究の目的は(1)人工股関節全置換術の手術室における皮膚消毒前、皮膚消毒後、閉創時に分けて患部の皮膚の細菌学的調査を実施することで皮膚の消毒効果を検証する。(2)手術部位感染した場合、感染部位より検出された細菌と事前に採取した皮膚に付着した細菌と同定することで皮膚消毒と感染との関連を検証する。(3)人工股関節全置換術手術部位感染のリスクファクターを抽出することである。今年度、実施した内容は下記の通りである。 (1)「について昨年度、シードスワブ法にて12症例のうち消毒前の皮膚より採取した検体にて2件のみCNS (Coagulase neg ative staphylococcus)が検出された他はいづれも細菌が検出されなかった。そこで、今年度は検体採取法についてシードスワブ法よりフードスタンプ法へ変更した。その結果、消毒前皮膚において18症例中3件は陰性であったものの、7件Bacillus、5件Micrococous、4件S. Hominisなどが検出され(重複検出あり)、皮膚消毒後は2件Bacillusが検出され、他は(-)であった。尚、閉創時においては菌の検出はみられなかった。 (2)について現時点では手術部位感染を起こした症例はないことから検証に至っていない。 (3)について今年度、従来の皮膚消毒法を実施している施設とCDCガイドラインに則り実施している施設の2施設における人工股関節全置換術後の感染リスクファクターを検討することとしたが、現時点では、手術部位感染が発生していないことから手術部位感染のリスクファクターは抽出することはでさていない。今後、継続してデータ収集していく。