今年度は、糖尿病女性の年齢に対応した問題・課題を明らかにすることにした。血糖コントロールが乱れやすい思春期に良好な血糖コントロールを維持することが、その後の自己管理に影響を及ぼすと考えられる。以上のことから、糖尿病女性の中学校・高等学校生活における療養上の工夫を明らかにする。対象:18~24歳の糖尿病女性6名(発症年齢5~13歳、大学生4名、専門学校生2名)。方法:ヤングキャンプで医療者を交えて行った療養生活についての話し合いの逐語録より、中学校・高等学校生活での療養上の工夫を抽出し、分類整理した。【結果】1.低血糖予防と対策「トイレで補食していたので何もなかった」など。2.病気のことを周りの人に伝えること「どこまでいうかは人によって変える」など。3.周りの人への期待「低血糖になって周りの人に特別扱いはされたくない」「親には低血糖のときはもうちょっと心配してほしい時もある」など。4.病気との上手な付き合い方「合併症の恐怖で落ち込んでいたときに、起こってもいない合併症のことを心配するよりいまの合併症のない状態を次一年継続させようという気持ちで過ごせばいいって言われてがんばろうって思った」など、が見いだされた。【考察】中学校・高校生は血糖コントロールをするために各自、療養上の工夫を行っている。しかし、周りから特別扱いされたい、されたくないという相反する気持ちを抱いていることが、血糖コントロールが不安定になる原因ではないかと考える。以上のことから、糖尿病女性が安心して妊娠・出産・育児に臨むためには、対象者が思春期の場合には「特別扱いされたい、されたくない」という相反する気持ちがあることを考慮しなければならない。
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