研究概要 |
本研究の目的は、喉頭摘出者のコミュニケーション方法の再構築過程を支援する看護モデルを帰納的に構築し、それにもとづいて看護実践指針を作成し、それを対象者に実施・評価し、より現実に適用できる看護モデルを作成することである。そのため、2段階の研究(研究1および研究2)を行うが、今年度はそのうちの喉頭摘出者のロミュニケーション方法再構築過程について明らかにすることを目的とした研究1を行った。 本研究においては、喉頭全手出術を受ける頭頸部がん患者の手術前から手術後1年間にわたり、参加観察法、面接法、記録調査法を用いてデータ収集を行う。現在、11名の対象者について、2施設でデータ収集を継続して行っている。参加観察は入院期間中、外来診察時、セルフ・ヘルプグループへの参加時に随時行っており、今年度の参加観察の回数は合計210回であった。面接は手術前、退院時、手術後3〜4か月後に行っており、今年度の面接時間は合計23回、約23時間であった。記録調査は随時、対象者の診療記録と看護記録から行っている。なお、喉頭摘出術を受ける頭頸部がん患者は各施設、年間約10例と少なく、1年間のデータ収集期間を終えた対象者はまだいない。 また、本研究においては、前述の方法によって収集したデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(木下,2003)の手法を用いて分析する。現在、データ収集と並行し、随時、フィールドノートの内容と面接内容の逐語訳をデータとして分析を行っている。
|