研究概要 |
本研究の目的は、喉頭全摘出者のコミュニケーション方法の再構築過程を支援する看護モデノレを帰納的に構築し、それにもとづいて看護実践階針を作成し、それを対象者に実施・評価し、より現実に適用できる看護モデルを作成することである。そのため、2段階の研究(研究1および研究2)を行う。今年度は、昨年度に引き続いて、喉頭全摘出者のコミュニケーション方法再構築過程について明らかにすることを目的に研究1を行った。 本研究においては、喉頭全手出術を受ける頭頸部がん患者の手術前から手術後約1年間にわたり、参加観察法、面接法、記録調査法を用いてデータ収集を行う。2施設の12名の対象者について、昨年度から継続してデータ収集を行った。参加観察は入院期間中、外来診察時、セルフ・ヘルプグループへの参加時に随時行い、今年度の参加観察の回数は合計約100回であった。面接は退院時、退院後4~5ヶ月、退院後1年に行い、今年度の面接時間は合計15回、約13時間であった。記録調査は随時、対象者の診療記録と看護記録から行った。今年度中に1年間のデータ収集期間を終えた対象者は8名であった。 また、本研究においては、前述の方法によって収集したデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(木下,2003)の手法を用いて分析する。現在、データ収集と並行し、随時、フィールドノートの内容と面接内容の逐語訳をデータとして分析をしている。 なお、来年度は、今年度に引き続いて、残り4名の対象者のデータ収集と、全対象者から収集したデータの分析をする。また、全対象者のデータ収集と分析が終了した時点で、必要な看護実践内容を抽出し、頭頸部がんで喉頭全摘出術を受けた喉頭摘出者のコミュニケーション方法の再構築過程を支援する看護モデルを構築し、それを対象者に実施・評価する。
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