今年度は研究目的1)を実施した。文献検討および学会参加による情報収集を行い、実施方法(対象者の選定、ケアの内容・方法、使用する芳香性植物油の種類、自覚症状測定用具の選定等)の妥当性を再検討した。結果に基づき、データ測定に使用する機器・用具を準備した。データ測定に用いる呼吸機能検査器(チェスト社製H I801)による測定、胸郭拡張差測定、自覚症状を測定するためのVASは、いずれも呼吸リハビリテーション等の効果を測定するために専門の学会で多く用いられており、効果の測定指標として信頼性があることが確認された。また、使用する芳香性植物油については、日本アロマセラピー学会、アロマセラピー専門の学術誌において安全性や効果に関する報告例も多く、期待する効果が得られる可能性の高い方法と精油の組み合わせを選定することができた。実施方法を確定した後、所属施設の研究倫理委員会の審査を受け、承認を得た。臨床看護師の経験のある協力者数名にプレテストを行い、実施方法全般を再検討し修正を行った。同時に看護介入方法としての実現可能性についても検討を行い、臨床の中で十分に実施可能な介入方法であることを確認した。修正結果にもとづきプロトコールを作成し、研究協力の得られた被験者に実施した。3月17日の時点で4名(男1・女3)の被験者が3回の測定を修了し、2名(男1・女1)が測定中である。この他に8名(男4・女3)の研究協力の承諾を得ており、引き続きデータ測定を行う予定である。データの詳細な分析は今後行う予定であるが、現在まで得られたデータからは自覚症状の軽減効果、年齢による効果の違いなどが予測される。
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