研究目的1) 芳香性植物油を用いた背部ケアが中高年健常者の呼吸機能と自覚的健康状態にもたらす効果を明らかにする。に関しては前年度に得られた10名分のデータを分析し、胸郭拡張差、PEF、VASスケールでコントロール群、植物性オイル使用群、芳香性植物オイル群で差異がみられていたが、統計的には有意でデータではなかった。さらに男女各10名程度被験者を増やすことによって、効果を明らかにできる可能性があると判断し、引き続き目的1)に関してデータ収集し分析する予定である。 研究目的2) 芳香性植物油用いた背部ケアが外来通院中の慢性閉塞性呼吸器疾患患者の呼吸機能と療養生活にもたらす効果を明らかにする。に関しては、1)のデータ分析後にCOPD患者のデータを測定する予定であったが、1)のデータ収集・分析が途中であるためCOPD患者のセルフマネジメント教育の現状や理学療法的なアプローチに関する研究データの収集を行った。また、現在COPDで外来通院治療中の患者1名から日常生活上の困難や症状コントロール上の不安、芳香性植物油を使用したケアや代替療法を活用したセルフケアへの期待などを聴取した。 研究目的3) の1)および2)で効果が明らかになった場合、慢性呼吸器疾患の急性増悪予防と症状コントロール、ストレスマネジメントを含めた自己管理指導に活用できる看護介入方法として、病棟および外来における標準看護ケアプログラム試案を作成する。に関して、は臨床看護師を対象に、アロマセラピーの活用に関する具体的な要望を質問紙およびインタビューで調査を行った。臨床看護師はアロマセラピーについて具体的な効果や安全性を明確にした使い方や時間的な余裕のなさから日常的なケアの中に組み込めるような方法、正確な知識が必要であると考えている、という知見が得られた。
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