研究概要 |
研究目的1)芳香性植物油を用いた背部ケアが中高年健常者の呼吸機能と自覚的健康状態にもたらす効果を明らかにする。に関して、16名(男女各8名)の中高年健常者のデータを収集し、分析した。VASスケールによって測定した自覚症状、胸郭拡張差、呼吸機能測定値のPEF, V50, V75等においてコントロール群と植物性オイル群、コントロール群と芳香性植物オイル使用群で差がみられた。植物性オイルと芳香性植物オイルの使用による差はみられたが、統計的に有意ではない。また、植物性オイルと芳香性オイル使用の順序の違いによる差異はみられなかった。植物性オイルを用いたマッサージを取り入れた背部ケアは、呼吸筋や呼吸補助金の疲労を軽減し、呼吸運動を楽にすることによって、呼吸機能改善につながる可能性が示唆された。 研究目的2)は研究1)の結果に基づき、慢性閉塞性呼吸器疾患患者を対象に芳香性植物油を使用した背部ケアの効果を明らかにするというものであり、目的1)で呼吸筋および呼吸補助筋の疲労軽減等の効果が得られたことから、セルフマネジメント教育を受けた経験のない対象者に芳香性植物油を用いたケアを実施する方法と、既存のCOPDセルフマネジメントに組み入れ多角的に効果を測定する方法について実施計画を検討中である。 研究目的3)の目的1)2)の結果に基づき、病棟および外来における標準看護ケアプログラムの試案を作成する。に関しては、実際にアロマセラピー等の代替療法を臨床で実際に活用した経験のある看護師にインタビューを行い、看護ケアに活用するために必要な条件や障害要因を分析した。実践でアロマセラピーを活用するための要因としてはケア提供者の意識や立場、職場環境やケアそのものに対する考え方などがあげられた。
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