1.「慢性疾患をもつ人のセルフケア能力を高める看護実践」手順書の作成 平成20年度より継続し、セルフケア能力の質問紙(Self-care Agency Questionnaire、以下、SCAQ)改訂版とその使用手順書(実践者用)を、SCAQの使用に精通している看護師および看護研究者と意見交換をして洗練し、「慢性疾患を持つ人のセルフケア能力を高める看護実践」の手順書を完成させた。 2.「慢性疾患をもつ人々のセルフケア能力を高める看護実践」の効果に関する調査 SCAQの使用に精通している看護師がいる施設に調査協力を依頼し、同意を得た2施設で調査を実施した。調査協力の同意が得られた看護師と慢性疾患を持つ人を対象とした調査である。調査内容は、SCAQ改訂版とその使用手順書を用いた「慢性疾患をもつ人々のセルフケア能力を高める看護実践」を展開してもらい、その成果を検討するものである。 (1)質問紙調査(SCAQ改訂版の得点変化、および、看護実践内容の自由記載):看護実践の展開にあたり、SCAQ改訂版の評価は、1回目:看護実践初回、2回目:初回から2週間~1ヶ月経過後、3回目:初回から3ヶ月程度経過後、のうち、同意が得られた回数分を実施してもらった。さらに、看護師には、具体的実践内容などを、別紙に自由記載してもらった。SCAQ改訂版の得点(全体、構成概念毎、質問項目毎)の有意差の検定、および、自由記載の質的な分析から、看護実践の効果を検討する。 (2)面接調査:質問紙調査に協力した看護師の中で、面接調査協力の同意が得られた看護師を対象として、具体的看護実践内容に関するインタビュー調査を実施している。内容を質的に分析し、「慢性疾患もつ人のセルフケア能力を高める看護実践」の具体的内容と課題を明らかにする。 この調査は、平成22年度も継続して実施・分析し、研究成果をまとめる予定である。
|