研究課題/領域番号 |
20592571
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
横山 浩之 山形大学, 医学部, 教授 (40271952)
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研究分担者 |
富澤 弥生 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (60333910)
奈良 千恵子 東北大学, 大学病院, 助教 (50400354)
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キーワード | 軽度発達障害 / ペアレントトレーニング / 注意欠陥多動性障害 / 子育て支援 / 心の健康度 / 心の疲労度 / 広汎性発達障害 / 特別支援教育 |
研究概要 |
今年度は、主として、10名以上の多人数をトレーニングした場合のペアレントトレーニングの技法の実効性について検討した。 これまでのペアレントトレーニングと異なり、ひとりのトレーナーが数十人の保護者、支援者を相手にトレーニングすることができるが、これによっても子どもの行動異常の改善が認められた。このペアレントトレーニングの技法は、教育への応用がさらに進んだ。栃木県小児保健会総会、長寿社会財団による子育て支援フォーラムにおいて、研修会がもたれた。小学館が発行する教育雑誌にもインタビューの形で何回も取り上げられた。 多人数をトレーニングできるので、長期間にわたる指導も可能である。従来から、ペアレントトレーニングの手法は、トレーニング終了後に子どもの行動の改善がみられないことが報告されていたが、今回の検討によれば、第三者評価では子どもの行動は変化がないのに、母親の評価では、子どもの行動の悪化が認められた。このことは、母親が自分の子育て手法の改善点に気が付いたためと想定される。 この成果は、平成23年度の日本小児神経学会にて発表する予定である。 医療の分野においても、本技法を含めた軽度発達障害の治療的介入について、平成22年度の日本小児科学会の教育講演の招待を得るなど、本技法の重要性について、社会の理解が得られつつある。 現在、小一プロブレムに代表されるように、ネグレクトや心理的虐待による子どもの行動異常が急増している。今後、ペアレントトレーニングの手法を、このような環境因子による行動異常がある子どもにも応用していくための検討を進めていきたい。
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