研究課題/領域番号 |
20592575
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
定方 美恵子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00179532)
|
研究分担者 |
佐山 光子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50149184)
石田 真由美 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40361894)
佐藤 悦 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20169410)
|
キーワード | 冷え性 / 温度感覚 / 皮膚血流量 / 皮膚温 / 介入研究 / 温冷水交互浴 / 皮膚 |
研究概要 |
本研究は冷え性女性の温度感覚と関連要因を評価し温度感受性の特徴を明確にすること、ならびに温冷水交互浴を行うことによる温度感覚と温度感覚関連指標に与える影響を明らかにし、冷え性に対する看護学としてのケアモデル構築を目的としている。今年度はデータ収集・分析を進め、評価パラメータを検討した。 1.冷え性と冷えがない女性、合計18名の温度感覚を比較した結果、温覚と冷覚ともに冷え性群では閾値が大きい傾向を示した。温冷水交互浴実施直後に皮膚温の低下した状態で測定すると、さらに温覚冷覚ともに閾値の上昇をきたした。温度感覚を司る皮膚温度受容器は皮膚温の変化により活性化されるとされているため、冷え性の女性では皮膚温の変化や変化速度の調整が何らかの原因により冷えのない女性より劣り、その影響が温度感覚感受性低下を引き起こすと推察された。 2.日本の代表的養生法である西式温冷水交互浴を被験者6名に実施した。交互浴後の皮膚温と皮膚血流量の改善効果を特徴づけるデータが収集されたので測定を続けている。冷え性における温度感覚の感受性を看護ケアによって高める方法として注目した皮膚刺激介入(温熱刺激と寒冷刺激を組み合わせる)の効果の指標として、皮膚温と皮膚血流量の妥当性を確認した。 3.東洋医学では皮膚の機能は肺経と大腸経の経絡が司るといわれているため、2009年度までに測定した99名の女性(20歳代)の経絡臓器機能データを分析した。52名の冷え性女性は冷えがない女性19名に比較し、心包経、胃経・隔ゆ、腎経の低下を認めた。自覚症状と冷えのタイプ、経絡臓器機能の関連性を示す結果は得られたが、皮膚の機能を司る肺経と大腸経の低下は認めなかった。 皮膚刺激介入評価パラメータとして、皮膚血管系自律神経機能を反映する皮膚温と皮膚血流量、さらに長期的効果の評価パラメータとして温度感覚、以上3つの評価指標に絞り、効果の評価を進める。
|