研究課題/領域番号 |
20592577
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
久保田 君枝 浜松医科大学, 助産学専攻科, 准教授 (40331607)
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研究分担者 |
内藤 初枝 静岡県立大学, 短期大学部, 講師 (70155638)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (70263085)
安田 孝子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (30377733)
足立 智美 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50377735)
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キーワード | 妊婦 / 栄養 / BMI / 低出生体重児 / 胎児発育 |
研究概要 |
【はじめに】特に近年若い女性のダイエット志向によるBMI値18.5以下のやせにおける低体重児出産傾向、さらには「低体重児は、成人になると生活習慣病、特に高血圧のリスクが高くなる」というBarker仮説など出生体重2500g未満の低体重児出産の増加現象に関し警鐘が鳴らされている。そこで本研究では、妊娠期間前期・中期・末期の三期、各期間の妊婦の食事を調査すると共に各時期の胎児の推定体重も測定し、妊娠期間中の栄養素別食事バランスの良否がどのように胎児の成長に影響するのかを検証している。 【方法】(1)対象妊婦:食事調査に承諾の得られた健常妊婦174名に継続調査中である。 (2)アンケート調査:1)初回受診時と母親学級受講時に行う。妊娠期間中の妊婦の体重および胎児の推定体重の測定(妊娠14~16週、妊娠25~27週、妊娠32~34週) (3)食事調査:妊婦に上記週数の期間に3日間の食事摂取内容をデジタルカメラにて撮影、分析は『ヘルシーメーカー413』を使用し、栄養素別摂取量と栄養素別エネルギー比率を算出した。 【結果】(1)妊婦1139名のBMIが25以上の肥満5.9%、25~18.5以上標準70.3%、18.5未満のやせ23.8%でやせの割合が多く、また妊婦1145名中、タイエット経験者の割合は564名(49.2%)で多い傾向を示した。 (2)妊婦の食事摂取状況は、総じて高脂質・高食塩の傾向が顕著であり、総エネルギー量、Fe、レチノール、VC、葉酸などは低い傾向かみられた。 (3)妊婦の食事摂取内容と胎児の発育との関係では、胎児発育曲線から逸脱している事例があり、全妊婦の分娩を待って最終的な解析を行う予定である。 【まとめと今後の展望】 結果に示したように妊婦の食事摂取状況は貧弱なケース目立った。しかし、現時点で多くの対象妊婦が妊娠経過中であり、出産を待ってさらに詳細な解析を加えて最終的な結論を導く予定である。今後は事例数と食事データを増やすとともに、妊婦の栄養状態と胎児の発育との関連について明確な見解を示すことを目標としたい。
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