本研究の目的は、がんの子どもや家族が入院時、入院中、退院時において学習の遅れやクラスメートとの関係が途絶えてしまうという不安や元の学校に復学する際の不安を緩和するために、教育支援プログラムと学校と医療機関との連携システム構築のための基礎的研究をすることであり、以下のことを計画した。(1)学校の教員の小児がんの知識や子どもや同胞を含む家族への理解が促進されるように研修会を開催する。(2)がんの子どもの退院時調整(合同)会議を行い、医療者との連携を強化し、子どもが安心して復学できるようにする。(3)復学支援の充実しているアメリカの現状を視察し、教育支援プログラムとシステム構築の参考にする。(4)がんの子どもについてどのような説明が効果的であるのか、検討するために、小学校、中学校、高校生への意識調査を実施し、特に小学生への説明用冊子を考案し、それを活用してみる。(5)調整(合同)会議開催を実施し、その効果を確認し、病棟との連携を通してより有効な会議内容とする。以上のことを踏まえて教育支援プログラムと連携システム構築に必要な要点を整理する。
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