研究課題/領域番号 |
20592580
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
渡辺 香織 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (30281273)
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研究分担者 |
西海 ひとみ 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 講師 (30379458)
奥村 ゆかり 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (30403299)
戸田 まどか 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (90388695)
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キーワード | 月経前症候群 / ストレス / 看護 |
研究概要 |
【目的】これまでの研究過程で、月経前症候群では月経周期によるストレス変動と慢性ストレス状態にあることが明確化されたことから、本研究の目的はストレスマネージメントに焦点をあてた教育プログラムを実践しその評価を行うことを目的とした。 【対象と方法】月経前症状を有する20~39歳の女性10名を対象とした。基礎体温の測定と症状記録の説明後、12週間を経て3回の講座で構成した教育プログラムを実施した。プログラム実施前後において月経前・時・後の各期に、唾液中分泌型免疫グロブリンA(sIgA)、唾液中グロモグラニンA(CgA)、唾液中コルチゾールを測定した。心理的指標は、POMS、ストレスチェックリスト(SCL)、月経サポート機能(MS)、月経前症状(PS)とした。さらに各講座の前後に、唾液中アミラーゼ、リラクゼーション尺度(RS)、POMSによる測定を行った。 【結果】プログラム実施前後において、月経前CgA(前28.5±14.1→後17.2±9.9)、PS(前32.5±27.8→後21.7±18.1)、月経時SCL(前12.0±7.0→後7.8±6.7)はプログラム後に有意な低下を認め、MSは有意な上昇(前26.8±4.1→後33.6±4.2)を認めた(p<0.05)。POMSの変化は認めなかった。各講座の実施前後において、RS、POMSともに有意な低下を示し(p<0.05)、アミラーゼ値は低下を示したが有意な差は認めなかった。 【結論】各講座後では、リラクゼーション効果とストレス軽減効果を認め、教育プログラム後には、症状の軽減とストレスの軽減効果、さらに月経サポート機能の上昇を認めたことから、今回のプログラムの効果が評価される一方で、今後の課題として対象数の増加とこれらの教育プログラムを活用したピアサポートを教育機関などで拡大することが有効であることが示唆された。
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