近年、子どもの睡眠時間は短くなっていると報告されており、子どもの生活は徐々に夜型に移行している。これには様々な原因が与していると考えられるが、保護者の生活スタイルが夜型になっていること一つの要因と推測される。子どもの健康には生習慣が強く影響するが、睡眠時間と身体的影響については研究が少なく、客観的なデータほ得られていない。そこで本研究の目的は、小児において夜聞睡眠時間の短縮がどのような身体的な影響を及ぼすかについて心臓性自律神経機能を測定して分析・調査することである。また併せて、保護者の生活習慣と子どもの睡眠時間との関連性および子どもの睡眠時間に対する意識との関連性について分析した。 その目的にしたがつて3歳児78名を対象に研究を実施した。その結果、子どもの夜間睡眠時間の平均は556分、昼寝を含めた総睡眠時間は667分であった。3歳児においては昼寝が習慣化されているため、一日の総睡眠時間で自律神経機能を分析した。その結果、総睡眠時間が630分以下の子どもで自律神経機能が低下していた。この年齢では一日の総睡眠時間が630分を保持することが望ましいと考えられる。また、保護者の子どもの睡眠時間に対する意識として、できるだけ早く就寝させ、10時間は瞳眠時間を確保したいと考えていた。しかし、実際は理想とする就寝時間には寝させることができないと答えていた。また、母親の帰宅時間と睡眠時間には関運があつた。 これらのことから、睡眠に対して保護者は関心を持ちながらも実際には理想とする時間には就寝させることができない保護者の生活が推測された。特に、母親のライフスタイルとの関連があることから、様々な社会的状況を検討する必要性が示唆された。
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