3歳児においては夜間睡眠と昼寝を合計した総睡眠時間630分未満の児童で交感神経・副交感神経機能が低下していることが明らかとなった。小児にとって睡眠は自律神経機能の発達の面から重要であることが示唆された。 小学校生徒の睡眠時間の調査では、平日で平均睡眠時間は517分~555分という結果であった。小学生の場合、7~9時間の夜間睡眠が必要といわれていることから十分な睡眠が確保されていることが分かった。 しかし、今回対象とした小学校は地方の農村地区であり、小学生の睡眠を一般化することはできない。今後は都市部での状況調査が必要であると考えられ、データを蓄積していきたい。 生徒の睡眠時間は保護者、とりわけ母親の生活習慣に関連していることが明らかとなった。子どもの健康を考えると保護者の睡眠に関する関心を高めることが重要であり、そのことはすなわち保護者の生活習慣を見直したり、女性の働き方を考えたりする必要があるということを意味している。 今後は、高学年において学習や課外活動名等で睡眠時間がさらに減少することが推測されることから、自律神経機能との関連から健康について考えていく必要があると考えている。
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