研究課題/領域番号 |
20592585
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上田 公代 熊本大学, 医学部, 教授 (20145345)
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研究分担者 |
上田 厚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10040198)
尾道 三一 熊本大学, 医学部, 教授 (70112406)
原田 幸一 熊本大学, 医学部, 教授 (00094029)
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キーワード | 低出生体重児 / ストレス / 前向きコホートスタディ / 妊娠前体重とBMI / 妊娠合併症 / 妊娠のライフスタイル / 地域特性 / ソーシャルサポート |
研究概要 |
【目的】我々のこれまでの研究結果で、低出生体重と関連が強かった妊娠関連のストレスに焦点をあて、妊婦のストレス度(自律神経のバランスを測定(%))と心の健康自己評価質問紙(WHO)の関連を前向きに調査し、アウトカムとして出生体重との関連を分析する。 【方法】1)調査対象と方法:妊婦400名(都市部200名-都市部出生の2.38%、農山村部200名-農山村部出生の2.36%)。今回は都市部のA産婦人科病院より、選出基準にあった妊婦31名(妊娠確定時、初妊婦、20-30歳代、母体合併症がない)の初期(11名)、中期(11名)、末期9名(妊娠32-33週)を対象に、ストレス測定とその場で心の健康の質問紙を記入してもらい回収した。ストレス測定の結果は妊婦に返却しストレスの自覚の有無を話してもらった。2)分析:(1)ストレス度と神経系、循環器系、内分泌系の関連を単相関と重回帰分析を行った。さらに、妊娠時期別に上記の3つの系の平均値を比較した。(2)ストレス度と心の疲労度/心の健康度との関連(相関)を分析した。 【結果】31名全員のストレス度は、神経系,循環器系、内分泌系との関連から、神経系は副交感神経刺激型が高いほどストレス度は高値で(r=-0.44)であり、3つの系のうち、神経系が最も寄与が高く、ストレス度は神経系の疲労を反映していると考えられた。同様に、循環器系は交感神経刺激型が高いほどストレス度も高く(r=0.49),内分泌系とは関連がみられなかった(r=0.33)。妊娠時期別では神経系の数値は妊娠初期が末期より副交感刺激型(機能低下)が高かった(p<.05)。一方循環器系と内分泌系の数値は妊娠時期別に有意差はみられなかった。妊娠3期によるストレス度(%)の比較では、高い順に初期、中期、末期だったが有意差はみられなかった。出生体重のデータは追跡中のためまだ解析していない。
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