日本産婦人科学会は、遷延分娩を分娩所要時間が初産婦30時間、経産婦15時間を超えた場合と定義している。前者30時間は分娩所要時間の98%タイル値(初産婦660人)、後者15時間は分娩所要時間の97%タイル値(経産婦641人)に相当することを明らかにした。初産婦、経産婦の分娩所要時間の90%タイル値はそれぞれ20時間、10時間に相当し、この値を越えた場合既に5分Apgar scoreが有意に(Mann-Whitney U検定)低下した(それぞれP=0.013,P=0.035)。以上から、遷延分娩は90%タイル値である初産婦20時間、経産婦15時間を超えた場合と提唱したい。
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