研究課題/領域番号 |
20592588
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00264531)
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研究分担者 |
蝦名 美智子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10168809)
秦 恵子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (70512226)
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キーワード | 受動喫煙 / 小児 / 家族 / 看護学 / ガイドライン |
研究概要 |
研究の目的は以下の2点である。 1 小児看護実践者が親への禁煙・分煙をすすめる上での課題を明らかにする。 2 病児の親への禁煙・分煙をすすめるケアガイドラインを開発する。 平成21年度は全国の小児看護実践者からのデータを得て集計した。質問紙4577部を配布し、2874部の返信を得た。2705部の有効回答を統計解析し、自由記述は質的に分析した。その結果、職場の約6割は敷地内禁煙であり、職場内の禁煙対策として「ポスターの貼付」約4割、「禁煙相談」3割、「パンフレットの設置」1割が行っていた。病児の家族が禁煙する必要ありと認識している者は約8割いたが、家族からの拒否や苦情を恐れている者が約8割おり、実際の禁煙支援(喫煙の問診、記録、話し合い等)の行動をしている者は1~2割で、喫煙による健康影響の知識も呼吸器循環器系以外の正解率が半数に満たず不十分であった。禁煙支援のきっかけは、通常の看護活動の一貫、児が症状/事故を繰り返す、周産期/新生児期の問題、施設内のルールが守られない、家族からの質問・希望、などがあり、看護師が禁煙・分煙・減煙を勧めた、情報提供した、注意などを行った所、半数以上の家族の反応は不変だったが、家族の分煙・禁煙・減煙などの反応もあった。看護師の喫煙に関する知識不足、禁煙・分煙支援の実施割合の低さなどの課題はあったが、実際に行うと、通常の看護活動の一貫の中で児と家族の健康によい反応が得られていた。 病児へのケアガイドラインの開発に向け、看護師の禁煙支援に関する啓発を目的に、先駆的な実践を行っている専門家を招き、最新の禁煙治療と支援の研修会を開催した。今後はさらに発展させ、実務している看護師を対象に家族への禁煙支援ワークショップを開催し、病児支援の課題と解決に向けたアクションプランを作り、評価する予定である。
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