研究課題/領域番号 |
20592588
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00264531)
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研究分担者 |
蝦名 美智子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10168809)
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (40586484)
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キーワード | 受動喫煙 / 小児 / 家族 / 看護 / ガイドライン |
研究概要 |
研究の目的は以下の2点である。 1 小児看護実践者が親への禁煙・分煙をすすめる上での課題を明らかにする。 2 病児の親への禁煙・分煙をすすめるケアガイドラインを開発する。 平成22年度は全国の小児看護実践者からの調査データの解析をすすめ、関連学会において成果を報告した(日本小児看護学会2010年6月神戸市、日本小児保健学会2010年9月新潟市、EAFONS2011年2月ソウル・韓国)。データ解析、成果報告を通じ、看護師は親への禁煙・分煙支援を行うにあたって知識不足があること、趣味に介入する躊躇いがあること、パンフレットなど情報提供手段が身近にない、などの課題があった。 上記課題を解決するため研究協力病院を探し、A病院B小児病棟から協力の意思が示された。そして研究協力者C(B小児病棟看護師)とアクションプランを作った。A病院は敷地内禁煙が施されており、B小児病棟は全室個室で小児がんの患者が多い特性がある。Cと調査結果を踏まえ作成した具体的内容は、(1)看護スタッフ間での学習会開催、親に(2)喫煙するか尋ねる、(3)喫煙状況の記録、(4)禁煙する意思があるか確認、(5)禁煙関連情報の紹介(禁煙外来等)、である。これをベースにB病棟での実行可能性を検討してもらった。(1)の学習会には6名(30%)のB病棟看護師が参加し、中間管理職の看護師からはすぐにでも実行できる反応が得られた。しかし、B病棟管理職の異動など組織的基盤に変化があり、参加者の中には「何をしたらいいか分からない」「小児がん発病で罪悪感のある親にタバコを話題にしにくい」と実行への心理的抵抗もあった。アクションプランが実行され効果的なガイドラインとして普及するには、管理職からの支持的な基盤のもと、組織理念とプランを結びつけた仕組みを整えること、そのことが行動に迷うスタッフ看護師の心理的な抵抗を和らげる一助になると考えられた。
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