研究課題/領域番号 |
20592591
|
研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
益子 育代 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (40404917)
|
研究分担者 |
大矢 幸弘 国立成育医療センター(研究所), アレルギー科, 医長 (80392512)
二村 昌樹 国立成育医療センター(研究所), アレルギー科, 研究員 (30470016)
林 啓一 帝京大学, 医学部, 助手 (10459323)
|
キーワード | アトピー性皮膚炎 / 乳幼児 / 養育者 / 患者教育 / 行動変容 / ランダム化比較試験 / スキンケア |
研究概要 |
【目的】アトピー性皮膚炎の治療に行動変容プログラムを組み合わせることによる治療効果を検証する。 【方法】生後6ヶ月から5歳までの中等症以上のアトピー性皮膚炎の乳幼児をもつ母親を対象として、行動変容プログラム群と対照群の2群によるランダム化比較試験を行っている。介入群は1泊2日の教育入院およびその後3ヶ月間の外来フォローによる行動変容プログラムを行っている。コントロール群は冊子による自己管理の方法について情報提供のみを行った。3ヶ月、6ヶ月後のSCORAD (SCORing Atpic Dermatitis:皮膚症状の判定)、QOL、薬剤処方量を評価した。SCORADについては写真を用いて評価者盲検により行った。 【結果】途中段階ではあるが、現在までに母親34名が6ヶ月後の評価を終了して分析した。SCORADは3ヵ月後に両群とも改善していたが、介入群(改善率49.8%)は対照群(改善率25.3%)よりも有意に改善していた(P=0.044)。この改善効果は6ヵ月後まで維持されていた(43.6%vs.29.1%)。QOLスコアは有意に改善したが、両群の有意差はなかった。薬剤処方量は、介入群のみが介入からの3ヶ月間よりもその後の3ヶ月間でステロイド軟膏(P=0.010)も保湿薬(P=0.019)も減少していた。 【結論】現在までの結果では、行動変容プログラムは、従来の治療に加えることで有意に症状を改善させることが示唆された。今後参加登録を継続し、分析していく予定である。
|