本研究は、平成20年〜23年の4年間の期間で、次のことを明らかにする。1.妊娠期の栄養状況及び生活習慣と授乳期間との関連を明らかにする。2.授乳継続を阻害する因子と考えられる喫煙・職業・児の哺乳力・授乳回数・本入が受けた授乳方法などとの関連を明らかにする。3.妊娠期からの栄養摂取状況および生活習慣と月経再開時期との関連を明らかにする。 これらの、目的を達成するために、平成20年度は、研究協力者の登録を開始した。具体的には、総合病院1施設、個人病院2施設で出産した褥婦に対し、研究の概要を説明し同意を得られた褥婦に、141項目食物摂取頻度調査と妊娠・分娩・産後に関する健康調査の質問紙の回答をお願いした。特に、施設の選択では情報バイアスや選択バイアスを最小限にするため、市内の北、西、東にある施設を確保することができた。登録は、所属機関の倫理委員会で承認された平成21年2月より開始したが、4月までの登録者数は50名であり、順調に登録が進んでいる。 なお、18か月間の追跡調査のため、今年度は、新規登録者の確保と産後3か月、産後6か月の質問紙の配布と郵送回収を計画している。 また、登録中の分析は、データ収集に影響を及ぼす可能性があるので、現時点では統計解析は行わない。目標である100名の登録が終了した時点で単純集計を行っていく。 本研究の結果は、妊娠期からの栄養指導や生活指導が、胎児の成長発達・肥満予防という視点以外にも産後の授乳への影響ひいては女性がんの第一次予防となるという有用な情報を提供できると考えている。
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