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2010 年度 実績報告書

乳中ラクトフェリンの経口投与によるサイトメガロウイルス感染防御

研究課題

研究課題/領域番号 20592607
研究機関東海大学

研究代表者

志水 惠子  東海大学, 健康科学部, 教授 (20056302)

キーワードラクトフェリン / サイトメガロウイルス / 感染防御 / 経口感染
研究概要

ラクトフェリン(LF)の経口投与によるマウスサイトメガロウイルス(MCMV)感染防御の有無を検討した。これまで、MCMVの腹腔内感染経路では、LFの経口投与による防御効果は認められなかった。そこで、腹腔感染のような強い感染力を示す経路ではなく、ヒトのサイトメガロウイルス感染症の自然感染経路である経口感染、鼻腔感染におけるLF経口投与のMCMVの感染防御効果を検討した。この実験を遂行するに当たり、in vitroの実験系におけるMCMV感染阻止効果を確認した結果、LFの直接的な抗MCMV効果は認められず、また、MCMVを感染後にLFを作用しても感染阻止効果は認められなかった。しかし、感染前に細胞にLFを作用することによって効果が認められ、さらに、感染前、およびLFを培養液に加え、培養中もLFを作用しておくことによって、より強い感染阻止効果が認められた。このin vitroの結果を踏まえ、マウスにMCMV感染前1週間、および感染後も実験終了時まで毎日LFを投与した。経口投与群はゾンデにて0.2ml(10mg/マウス)を、鼻腔投与群は0.05ml(2.5mg/マウス)を鼻腔にゾンデにて垂らし入れた。MCMV感染は両群ともにLF投与1週間後に経口接種1.1x10^7PFU/マウス、鼻腔接種2.8x10^6PFU/マウスを1回行った。その結果、経口感染においてはLF非投与群の最終生残率が70%であったのに対し、LF投与群では全マウスが生残した。鼻腔感染においてはLF非投与群の生残率が100%であり、致死に至らず、生残率での指標ではLFの感染防御効果は認められなかった。以上より、LFの経口投与によるMCMV感染防御効果はMCMVの経口感染経路において認められた。鼻腔感染は生残率においては効果が認められなかったが、マウス臓器中のウイルス量の差による検討の必要もあろうと考える。

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公開日: 2012-07-19  

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